ラビ×ユウ(←アレン)海賊パロ。
大変恐れ入りますがこちらの小説は十八歳未満の閲覧は堅くお断りします。
エロ及び暴力・残酷表現が非常に強くなります。どちらかと言えば残酷表現がメインです。普通に人が殺したり殺されたりします。
登場人物の大半が腹黒(アレン)かヤンデレ(ラビ)かイカれてる(神田)かのどれかです。
上記の設定に不快感を覚える方もどうぞお帰りください。
<2> とある愛人達の夜
彼らが根城としている島、その港に着くなり船員達は先を争いながら転げるようして船を降りて行く。理由は一つ、他の奴よりも少しでもいい女を手に入れる為だろう。少ないとは言っても私掠船、百余名がほぼ全員で歓楽街へ向かうのだ。当然良い女から売れていく。
その様を愉快そうな笑みを口元に刻んだまま、一番高い船長室から見下ろしていた副船長は背後のドアが空いたのを知覚して振り向いた。
「何見てんだよ」
「外。いや、面白いさ女買うのに必死で。性欲のカタマリさねぇ」
「これだけ男が集まってんだから当然だろ…………いつでも満たせるお前と一緒にしてやるな」
珍しく船員を庇うような事を言う彼に、淡く笑んだ。
数歩踏み出し、彼の目の前に立ちはだかる。
幼い頃は差があった背丈はほぼ同じ、けれどそれ程広くはならなかった肩幅も、長いが太くは無い手足も、そして東洋の血を全面に押し出す神秘的な眼差しと母親譲りの長い黒髪も。全てが私掠船の船長、荒くれ者共の頭になど似つかわしくない。
水を浴びた所為だろう、今はその肌は常にも増して白く代わりに唇だけが女達が使う朱のように紅い。
水を吸った髪が濡らしたか、シャツを脱ぎ捨てた上半身裸の姿は、相対する者に情欲の炎を灯す。
「そりゃそうさ。所で、俺も満たさせてもらえんの?」
「何言ってやがる非戦闘員。高見の見物の分際でおっ勃てたのか」
「そりゃつれないさ戦闘員。――――――ユウも興奮してる癖に」
「ほざけラビ。…………とっとと治めろ」
もう誰も呼ばない、彼らしか呼び合えない名前で呼び合い、どちらからともなくその背に腕を回し、喰らいつくような口付けを交わした。
二人の関係は微妙だ。
主従というのには熱烈で、恋人と呼ぶには激しすぎる。愛と呼ぶには生々しすぎて、形容し難い。ただ確実な事は、二人はその全てに置いてまさに命懸けだ。
船に来た時には既に二人は「そう」であり、船員達には彼らの関係は公となっていたがしかし多くの船員は何時から「そう」なのか知る由も無い。それを追求できるほどの命知らずはこの船には居なかった。
ブラックスワン号の最上等の部屋、船長室。その横に設えてあるのはそれ程広くはない、だが贅沢な設えの部屋だ。部屋の中に鎮座している一際目を引く大きなロココ調の――――――荒くれ者にしては優雅な貴族趣味的な品だが、実際その所有者は貴族階級だ――――――ベッドの天蓋は今は降ろされていた。とは言えども、床に散らばる衣服と漏れ聞こえる音を聞けば生娘でも無い限り何が行われているのかは簡単に推察できるだろう。
「あ、ぐ、っ」
「はは、ヤらしい眺め。そのまま動いてよ」
「ざけ、んなっ! テメェが動けよっ」
「えー、ケチー」
一糸纏わぬ姿で、同じ姿のラビの上に跨り自ら腰を沈めたユウは喘ぎ声混じりの罵声を飛ばす。
ぐちゅり、と濡れた音を立てながらユウの後孔に飲み込まれた分身を見やり、ラビは口の端を喜悦に歪めた。
「俺が動いたら、ユウすぐにイッちゃうじゃん」
「殺すぞっ!」
情事にはいささか似つかわしくない脅し文句を吐き、しかし言葉とは裏腹に自ら落とした腰を浮かせた。懸命に解放を求めて自らの体内の「イイ」所に剛直を押し付けようとするそれは何とも淫らなダンスだ。
伝わる快楽に顰められた顔は、切なげな様子。けれど動くのに必死で決定打の快楽とならない事に、ユウは無言で、視線で訴えた。
「…………犯してくれって、目が言ってる」
愉悦を浮かべてラビが、右手でユウの雄芯を掴んだ。掴んだだけではなく痛みを与えない程度に先走りで濡れ光る鈴口に爪先を突き立てる。
「いぁっ!」
突然の刺激にビクリと体を震わせたユウは仰け反り、けれど鈴口を塞がれている所為で精を放って昇り詰める事は叶わない。
抗議するように後孔でキツく締め上げられた事に、ラビが余裕の笑みを消して眉根を寄せた。左の掌で腰を掴み、荒々しく揺さぶる。
「っ、くそっ!」
誰に向けるでも無い罵りを漏らしたのは果たしてどちらか。
一度白い精を腹に放っても尚も収まる事は無く、二人は濃紺の闇の中でずっと交あい続けた。
給仕を任せている船員も今頃は上等の酒か、上等の女かを喰らっているのだろう。もしかしたら既にどちらも終えて高鼾をかいているかもしれないが。
汗で張り付いた前髪を剥がしつつ、ラビはワインのコルクを引き抜いた。腹が空いたのだが、厨房の事は分からない。これからも旨い飯にありつきたければ船員の胃袋を握る彼らには副船長といえども敬意を払わねばならなかった。
栓を開けたワインボトルを手にしたままベッドへ向かい、そこで裸体を晒したまま寝転がっている船長に先を譲る。
グラスに注ぐなどという手間はかけず、直接口を付けた彼は数度喉を大きく動かしてからラビに突き返した。
「ねぇ。狗にってことは、アイツに会うんさ?」
「それが一番手っ取り早いだろ。話が一番早いし物わかりも良い」
「それって兄貴の欲目?」
些か皮肉を含んだ言葉に、けれどユウは反応しない。
これから連絡を取り付けようとしている相手とラビが不仲なのは、もう随分前からだ。それこそその昔、彼らが子供だった頃、まだあの屋敷にいた頃から。
「鬱陶しい、海軍の狗共」
刺のある言葉にユウは漸くラビに視線を向けた。吐き捨てたラビは酒瓶を煽っている。
「そんなに不満か」
「ユウがアイツに会うってのが嫌。俺が届けに行くならいい」
だってアイツ、ユウの事ちゃんと返してくれるか分からないさ、とラビは酒瓶から口を離して渋面を作った。
「それこそお前が五体満足で帰ってこれるのか?」
相手側とラビとは互いに憎みあっている。ある意味両想いだとユウは他人事のように考えた。彼らが憎みあう最大の理由はユウの存在に寄るものだが、そんな些細な事を気にした事はない。寧ろ、向こうにそんなに執着される意味が分からない。
「船員が戻ってきたら「女王の栄光」に連絡を取れ。俺が渡る」
「…………アイ・サー」
とても納得しかねる、そんな顔なのに最早習性とも言うべきか、ラビにはそれ以上自分の意見を主張することは出来なかった。
あ、この話においてアレンと仲が悪いのは寧ろラビの方。
小説頁へ