18歳ズが乳(神田の)で遊んでるだけ。
15歳は被害者、19歳は傍観者。
…………あぁ、疲れた…………。
任務に出てたわけでもないのに疲れ果てた体を引きずりつつ、脱衣所で服を脱ぐ。
どうしてこうなったんだろう。
そもそも朝起きて朝食を食べに行ったら、そこで鬼ごっこしてるリナリーと神田に会った時からだ。
『アレン君! 神田を捕まえて!!』
『え、ええ、はい?』
『っクッソモヤシ! どけ!』
六幻を抜いてなかった彼を発動させた左手で捕まえて、リナリーに引渡した。
思えばその瞬間に違和感は感じてたんだ。
彼にしては妙に細くて、妙に柔らかかった。
だけど僕はその原因を直接目の当たりにするまで気付かなかった。
『〜〜〜〜ってぇ!』
『だから! その大きさでノーブラで走り回ったら駄目だって言ってるでしょ!? 自業自得!!』
『それ苦しいだけだろうが!!』
『そんな事ないわよ、一度着けてみなさい!!』
『…………はい?』
そう、思えばあの時から。
リナリーが握ってた「それ」を見た瞬間から。
僕は今日が厄日であることに気づいていた。
昼間の流血沙汰を思い返すと思わず顔が赤くなりそうで、慌ててそれを振り払う。
もうあんなのはごめんだ!
頭をぶんぶん振り回す僕をリンクが少し離れたところから呆れ顔で見ている。
見られているのは分かってたけど改めるつもりはなかった。
腰にタオルを巻いていると、大浴場のドアがガラリと開いた。何の気無く振り向くと、そこからは見たことのあるファインダーの人達が何人か、前屈みになっていた。
「? どうしたんですか?」
湯あたりでもしたのかな?
「ウォ、ウォーカー殿!」
「ななな、なんでもありません!!」
…………?
まぁ元気ならいいんだけど…………
リンクと顔を見合わせて互いに「?」の表情をし、それから中へと入り。
そして僕らはファインダーの人達が前屈みになっていた理由を知る羽目になる。
大浴場内はもうもうと湯気が立ち込めていた。
「うわ、コムイさんの薬!?」
「掲示板に大浴場の換気扇が壊れた旨がありました。それでしょう」
「あぁ、成程」
ならいいんだけど。
コムイさんならなにかやりかねないと思うから、ちょっと怖い…………。
そんな事を考えながら体を洗い、そして湯船に浸かる。
「ふー…………」
一メートルの先が見えない程、視界が真っ白だ。
伸びをしながら近くのリンクに当たらないようにと少し後ろに下がった瞬間、僕の肩は「誰か」に当たった。
むに。
「あっ、すいません!」
…………ん? 「むに?」
〜〜〜〜〜〜〜〜っまさか!? まさかまさかまさか!!??
バッ、と思わず振り向いて!
「…………何だ、テメェかよモヤシ」
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
何でいるの!? 何で男湯にいるのこの人!?
「ん? その悲鳴はアレンか?」
ラビもいるし!?
「ななななんで此処にいるんですか!?」
「はぁ? 風呂入りに来たに決まってんだろ。テメェもう上せてんのか?」
違います! そういう事を聞きたいんじゃなくて!?
「此処は男湯ですよ!?」
断じてそこにぷかぷか浮いてるモノを持ってる人が入って来ていいところじゃありません!
「? 当たり前だろ」
「何言ってるんさアレン?」
…………僕の言いたい事は一ミクロンたりとも伝わってないらしい。
何処にいたのか、ラビも近くにやってきてその姿が見えるようになる。
思わずリンクに助けを求めようと振り向くも、リンクはさり気無くフェードアウトしていた。確実に神田を見ないようにするためだ!
「女湯だったら俺もテメェも変態だろうが」
「今の君なら女湯でしょうが!!」
「お前な…………幾ら今乳がついてるからって女湯なんか行けるかよ、リナリーに蹴り殺されるだろうが」
「いやでもそのシチュエーションはちょっと位命の危険があっても行ってみたい所じゃねぇ? 男なら誰だって一度は女湯入って見たいさ」
「んな命がけなのはゴメンだ」
ラビ、その浮いてるのを突っつきながら会話するのやめて下さい!
…………あぁ、さっきの人達はこれを見ちゃったんだな…………。
「そいやアレン知ってるか? 胸って水に浮くんだぜ!」
「脂肪の塊だから軽いんだろ」
「沈めても…………」
言いながらラビが神田の胸を下へと押さえてお湯の中に沈める。
そして手を離すと、胸がまた直ぐに浮かび上がってきた。
「浮くんさ!」
「おい、浮輪代わりにして遊ぶな」
…………この人達は…………なんて事を…………
くらくらする。
「!?」
「あ、アレン!? どーしたんさ!?」
「おい監査野郎その辺にいるんだろ? モヤシが沈んだぞ!」
今日の夢見はきっと悪い…………そんな事を考えながら僕は意識を手放した。
アレン、ついに倒れる。
ラビと神田は基本悪気がない。エロい事してるつもりもない。
例えるなら男子中学生のノリなだけ。
因みに今の神田の自己認識は「ジェリーの仲間(のようなもの)」でしかなく、自分の顔にその体が非常にヤバい事には全く気づいていない。