エロテロリストがアラサーにテロしに行きました。
 そして出撃。



「…………色々なところから苦情が上がってるんだけど」
「は?」
「何の事さ?」

 朝飯の後。部屋に戻って取り敢えず勿体無いからバナナとヨーグルトを食って(胸に垂らしたのはしょうがないから舐めとった。くすぐったがったユウに俺は蹴り飛ばされた。酷い)、一度シャワーを浴びて二人でグダグダしてたらコムイから呼び出しが来た。

「朝っぱらから随分刺激的な事をしてるって話だけど」
「刺激的? …………あぁ、腹筋的な意味で?」

 確かにあれは笑える。誰も笑ってなかった気がしてたけど、もしかしてでてった奴らは別のところで爆笑してたんだろうか。ユウはおっかないから笑ったら殺される、とか思ってたのかも知れない。

「違うよ!」
「何だか知らねぇけど俺がこうなったのは元はと言えばテメェの所為だろうが!」

 ユウがコムイを一喝する。すると反論出来ないのかコムイは黙り込んだ。じぃーっと恨めし気にユウを見上げる。ユウは胸を張って、フン、と鼻で笑う。立派な胸が一緒にたゆん、と揺れた。

「そーんなおっきくて触り心地の良さそうなのこれ見よがしにしてたら、独身男性ばっかの此処のメンツがどう思うか分からない?」
「どうって」
「面白い、だろ?」

 他に何があるんさ。
 そう答えると、コムイは天井を仰いで「こりゃ駄目だ…………」と呟いた。失礼な。

「文句があんなら今すぐ戻す薬作れよ」
「無理。駄目。やる気でない。あーでもそれ触らしてくれたらちょっとやる気出るかもー」
「室長!」

 へらりと笑ったコムイにリーバーが眦を釣り上げた。

「あんだよ、触らせたらやる気出るのかよ」
「「「へ?」」」

 コムイやリーバー、他数名が間抜けな声を出す。
 ユウはコムイの机の前からすたすたと移動して、コムイの直ぐ横に立つ。
 それからコムイの後頭部に手を掛けると、思いっきり自分の胸に向かってコムイの顔を押し付けた。

「「「「!?」」」」
「あー、あれ気持ちいーんだよね」

 むにゅむにゅで、暖かくて。
 最初は頭を離そうとしてたコムイは、その内抵抗を止めた。あの気持良さに抗える男は中々居ない。
 コムイが自分から離すつもりがないと判断したらしいユウは、今度は胸を横から抑えた。

「おーいコムイ、窒息死しないようになー」

 ま、ある意味腹上死に続いて理想の死に方ではあるけれど。

「しっ…………室長…………っ!」

 リーバーが何故かガタガタ震えてる。どした? 寒いんか?
 暫く顔面でユウの胸を堪能していたコムイが、漸く顔を上げた。

「あー、気持よかったー」
「ちょっと昇天しそうだよな、所で今のリナリーにチクっていい?」
「僕の新薬の実験台になってくれるのかい? それはありがとう!」
「ならねーさ!」

 おっかねーこと言うな!
 コムイに叫び返しながら、ついでに近くにいたリーバーをユウの方に向かって突き飛ばす。
 すると前のめりに倒れかけたリーバーの顔は、すっぽりとユウの胸に収まった。うーん、ナイスポジション。
 藻掻いてるリーバーの頭をさっきコムイにやったみたいに押さえつけながら何事もないかのような顔でユウはコムイに、

「んで、俺の次の任務は何時だ」
「うーん、やっぱそれがどうにかなってからかなぁ」

 それ、と言いながらコムイがユウの胸を指さす。…………多分ユウの胸のほうだ、今そこに埋まってるリーバーじゃなくて。

「団服着れないし、色々ねぇ。腕力が少し落ちてるって? あんまりそういう状態で任務に出て欲しくはないね」
「チッ」

 ユウが拗ねたように舌打ちした。
 まさにその瞬間、緊急を告げる警報が鳴り響いた。

「「「「!?」」」」

 流石にユウもリーバーを引っぺがす。
 さっ、と走った緊張に、コムイが眉根を寄せて無線に詳細を聞いている。

「あっちゃー、なんてタイムリー…………」

 でも良かった、今日は本部にいるエクソシストがかなり多い。

『教団外部に、ノアの一族が出現しました…………!』
「「!」」

 ちら、とユウと視線を交わし合う。

「ユウは?」
「行くに決まってんだろ」
「あっ! こら神田君は控え…………っ!」

 コムイの台詞を最後まで聞くことはなく、俺達は床を蹴った。








「アレン!」

 教団入り口付近でアレンと合流した。既にイノセンスを発動させているアレンに素早く尋ねる。

「外は?」
「ノアが何人か。レベル1と2がそれはもう山のように。モニターで僕が確認できたノアはロードとティキ、ジャスデロとデビットの四人です」
「うっわぁ面倒くさっ!」
「…………神田も出撃するんですか?」

 眉根を寄せたアレンがユウを見る。

「何か文句あるかよ」

 それに対して凄んでみせたユウに、アレンは溜息を付いた。

「…………無茶はしないでくださいよ。危険だと思ったら直ぐに引いてください。――――――先に出ます!」

 そう言って飛び出して行ったアレンに、ユウは、「何様だクソモヤシ!」と怒鳴った。





 コムイも若干ラビ寄りの思考。
 少なくとも前屈みにはならない。
 リーバーはその辺で気絶。
 
 次回、犠牲者はノア。