アレ神嬢が始めました。









「う、うわぁぁぁぁぁぁ!」
「うっせーな黙れ。あと雑に扱うなよ、お前が思ってるよりそいつは高価いし壊れやすいんだからな」
「たった今投げたくせに…………。あ、それイタリアに任務で行ったときに買ったんですよ。僕が」
「黒とか赤とか穴あいてる奴とか…………お前の好みってどうしてこうエロ系なんだ?」
「師匠に似たのかな…………」

 ◯×△□*;@#$!!!!???

「おい鴉野郎、壊したらお前のテメーの頭に猫耳みたいにそれ結わえつけて、そのままティムに記録させてルベリエの前で再生してやるからな」
「それ何処からどう見ても変質者。でも面白そうですね」
「おい、鴉野郎で遊ぶなら後にしろ。さっさとヤるぞ」

 手の中の布をどうすればいいのか、床に置けばいいのか投げ返せばいいのかそれともそれともそれとも!?

「かっ…………神田ユウ!」
「あ? それはやんねーぞ。下なら替えあるから一枚やってもいいがな」
「リンクにあげるくらいなら僕に下さいよ」

 ◯×△□*;@#$、〜〜〜〜〜〜|!!}?

「テメェ中身の俺よりも下着が好みかこのフェチ野郎」
「いえ? 勿論中身一択ですけど。でも目の前に中身が無い時の慰みに、ねぇ?」
「ねぇ、ってお前四六時中監視されてて何時自家発電すんだよ、またあの鴉に記録されんぞ」
「流石にそんなの記録されたらやだなぁ」

 早いとか何とかコメントされてたらちょっと立ち直れないやアハハハハ、とウォーカーの笑い声が部屋に響く。

「お前は早いっつーかおっせーよ寧ろ」
「神田がイくの早過ぎるんですよ、どんだけ感度良いんですか貴女」
「知るか」
「あ、神田、下脱ぐなら僕にやらせて下さい」

 脱がせるのもロマンの一つですよ、とウォーカーが訳の分からない事を言っている。

「ん、」

 衣擦れの音の後、神田ユウが何処か鼻に掛かったような声を上げた。

「…………ちょっと期待してます? まだ触ってないのに濡れてきてる」
「うっせ。早くしろ」

 す る な !

 もう限界だ、こんな所に一秒たりともいられるものか!
 長官から与えられた任務、とちらりと脳裏に過ぎらないでも無かったがそれでも無理だ、無理に決まってる!!

 立ち上がり、絶対にウォーカーのベッドを見ないように背を向けながらドアへ走り、後ろ手に閉めてシャットアウトした。

「あ。あいつ人のブラ持って行きやがった!」
「後で取り返しときます?」
「欲しいなら下やるから上は返せっつっとけ」
「…………うーん、下もあんまり上げて欲しくないんですけども…………」








「はぁ…………」

 しかし、あの二人…………一体何を考えている!?
 五千歩譲ってそういう関係なのは良いが(ところでちゃんとウォーカーは責任を取るつもりなんだろうか?)、何故それを見せ付ける!?
 後で絶対抗議してやる、いや今直ぐにでもドア越しになら、そう思ってドアを睨みつけると――――――、

『んっ、あ、あぁ、あ――――――、』
『だからイくの早すぎますって、神田』
『んやぁ、あぁ!? …………止めんなバカモヤシッ!』
『あいたっ!?』

 …………。

 駄目だ、絶対に何を言っても聞こえる訳が無い。
 額に流れた汗を手近なハンカチ替わりの布で拭き…………それが神田ユウのブ…………下着であったことに情けない悲鳴を上げて慌てて手を離した。
 〜〜〜〜〜〜だからこれはどうすればいいんだ!?

 激しくなっていくドアの向こうの声と物音と共に、私の頭痛は深まりその場で思わず蹲った。









 ガチャ。

 耳を押さえて蹲りどの位たっただろうか。
 背にしていたドアが開く音に振り向いて見上げる。

「あ、お待たせしました」

 そこにはまるで悪びれた様子もないウォーカーの姿。
 但し上半身は裸、下も僅かにタオルを巻きつけただけで、その格好でドアを開くなと言いたい。…………言わないのは最早そんな気力も無いからだ。

「…………」
「終わったんですけど、神田が寝ちゃったんですよね。起こすのは可哀想だし命の保証もないし、今日は三人でいいですか? 勿論神田は僕のベッドで一緒に寝ますけど」
「良い訳無いでしょうがっ!!」

 何を考えてるんだ!!

「でも起こしたら命の保証無いんですよ? …………所で神田のブラ返してください、それ無いと神田が何時までもノーブラなんで」
「っ!!! 好き好んで持っていた訳ではありません!!」

 寧ろ迷惑だ!!

「で、どうします?」
「…………彼女が目覚めて着替えるまでは此処にいる」

 どうせ、人に見せて良い格好はしていないのだろう。私だって見たくないしウォーカーは見せたくないだろう。

「リンクは話が分かって何よりです。じゃあすいませんが朝までごめんなさい。神田は朝早いですから、起きたら呼びますね」

 …………もうどうでもいい…………

 パタン、と閉じられたドアを眺め溜息を付いた。



 そして数分後、再度激しい物音と声が上がり、



 更に数時間後神田ユウが去った後、私の布団の上に彼女が脱ぎ散らした物を置いていったのを見て再度叫ぶ羽目となった。




 すっきりしたら落ち着いて気前よく下着をくれた神田嬢。リンクは欲しいなんて言ってない。
 因みに非常にビッ◯感のある神田嬢ですがこう見えて彼女はアレンが初めての相手だった という設定。但し処女の頃から恥らいは無かった。