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昨日の夜も妻と激しく愛し合ったアレンは、今日も里へと降りていきました。
「お前さん、最近何だかやつれてねぇ?」
「そ、そうですか?」
力のいる、絹糸の泥染めの為にと手伝いに顔を出していた呉服屋のラビの言葉に、アレンは曖昧な笑顔で誤魔化します。
「最近しっかり食ってるか? 精のつくもんでも持ってくさ」
帰りがけにラビがそう言って持たせてくれたフキノトウやタラの芽、それから潰したばかりの迷い猪の肉を、どうやって食べようか…………と思いながら覗き込んでいたアレンはそれを神田に食べさせるつもりでした。
そう言えばどれだけ激しくしても朝眠そうな顔をしているくらいで大して堪えた様子がない事をふと思い出します。冬の間は、交わった翌日などずっとぐったりとしていたものですが…………。
暖かくなってきた為に、体力の消耗も無くなってきたのでしょうか。
調理を神田に任せることにして、アレンは山菜と肉を持って自分の小屋へと帰りました。
「ただいま…………っ、神田!?」
泥を流してから小屋に入ったアレンは、その中にいた神田の様子に目を見張り、慌てて土間から板間へと駆け寄りました。
囲炉裏のすぐ向こうで、神田がぐったりとしながら蹲っていたからです。
「具合が悪いの? それとも何処か痛い!?」
「…………」
既に泣きが入ったアレンの言葉に、神田はのろのろと身を起こしました。
その眼差しはどこか霞がかったかのように虚ろで、しかしそれでも神田はアレンを視野に入れます。
「ど、どうしたんですか!?」
慌てるアレンに、神田は突然アレンの懐――――――水浴びのために一度脱いだため、大分緩んでいます――――――に顔を突っ込みました。
「!?」
何事、と目を見張るアレンの反応は意に介さず、神田は突っ込んだところよりもやや下へ顔を埋め、そして、アレンの腹にぴと、とくっつきました。
「か、神田?」
「…………いい匂いがする…………」
ほう、と満足気な溜息を付いた神田がアレンの腹にすりすりと頬ずりをします。
見方によっては随分と性的な事を呟きながら、熱く、そう、非常に熱く火照っている自分の体をアレンに寄せ、神田はぎゅう、とアレンを抱きしめました。
「わっ!」
そのまま板張りの床の上に、アレンを下にする形で引っ繰り返ります。
アレンの力は強いのですが、未だ縦方向の体格は神田の方が良いのです。油断さえしなければこうして組み敷かれるような事はまずないのですが…………
「え、えぇ?」
驚いて目を白黒させるアレンの目に入ったのは、頬を朱く染め上げ、そして潤んだ瞳で息を乱す神田の姿でした。
「…………?」
本能のままアレンを組み敷いてはみたものの、その先をどうすればいいか分からない、そんな顔で神田はアレンを見下ろします。
「神田、」
名前を呼ばれて神田はアレンのお腹の上に乗るような格好から上体を倒し、顔を近づけました。そのまま口づけし、最初は押し倒されたことに驚いて硬直していたアレンも舌を絡めての口づけに応えます。
アレンの足には体を倒したことにより、既に欲している事を示すように形を変えた神田のそれが触れました。あからさまな欲情に、唇を離したアレンが念の為と問いかけます。
「していい、んですよね?」
アレンの言葉にコクリ、と神田は頷きました。そうしている間にもどうに堪えられないのか、アレンの自分のものを押し付けています。
露骨なまでの行動はこれまでの彼からはけして見れなかったものです。
神田の体の下敷きにされていた腕を抜き、神田の腰へと回したアレンは腰の辺りの布を掴んでその裾を捲り上げ、白い双臀を顕にしました。目にも毒なそれが見えないことを少々残念に思いながら、両手で二つを割るようにして揉みしだきます。
するとビクリ、と体を震わせた神田がより強く足に押し付けてきました。どうやら前を触ってほしいようですが、彼自身が押し付けてきているので生憎とそれは無理なのです。
「…………は、ぁ、」
熱い吐息を漏らしながらぎゅう、と目を閉じた神田の瞼に口づけながら、双臀を撫で回していた手をその谷間へと持ってゆき、中心で震える蕾に指を突き入れます。
その瞬間、
「――――――っ!」
「…………へ?」
体をビクッ、と一つ大きく痙攣させた神田がぐったりとして力を抜きました。
…………終わってしまったようです。
神田の終わりは早い方ではありますが、だからと言って此処まで早かったこともありません。
自分がまだ何もしていないのに終わってしまったことに不満足を覚え、アレンは神田の様子を伺いながら彼の体の奥を探ります。と、まだ果てたばかりなのに既に反応し始めている事に安心し、そして続きを始めたのでした。
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