午後五時。
 通いの掃除人とやらをとっ捕まえた俺は安めのスーパーの場所を聞き出し(歩きだと軽く片道四十分は掛かった。だけど近所のやたら高級品ばっかり置いてある金持ち御用達のスーパーなんぞに用は無い)、荷物を両手に下げて帰ってきた。
 一週間分の食材を直ぐに使うもの以外冷蔵庫と冷凍庫に小分けにして仕舞い込む。
 多めに作って冷凍しておけば、いつでも解凍するだけで食べられる。

 冷凍庫ってのは便利なもんだ。  

 しかも誰も使わないから冷蔵庫も冷凍庫も業務用みてぇなサイズな割りには空っぽだ。

 益々持って都合がいい。

「…………さて、」

 俺が野菜を洗っていると、不意に外が騒がしくなった。

 …………奴等が帰ってきたのか?

 それにしては人数の多い感じが…………

 疑問に思った俺は、頭だけ出してエントランスを見た。
 そこには、同じ制服を着た奴等が三人と、あの紅白コンビがいた。

 …………ああ、ダチ連れてきたのか。

 是だけ大きな屋敷だ、人を呼ぶのに問題は無いだろう。
 俺は納得し、それきり興味を失って料理に戻った。










 
「…………ふー、」

 篭った熱気と匂いを追い出そうと空調を最強にする。
 セックスによる汗と体液をシャワーで流し、相手は早々に帰した。
 上半身裸に、ズボンだけの姿で俺は私室を出てアレンの部屋のドアをノックした。

「…………開いてますよ」
「お、アレン。…………この不良息子が〜…………」

 空調を最強にして冷房まで入れてる所為か、妙に肌寒い。
 アレンは俺と似たり寄ったりの格好で、ベッドの上で煙草を咥えて煙を吐き出していた。
 シャワーを浴びたきり身体を拭ってもいなくて、その所為でベッドが水浸しだ。
 一番外面が良くて良家の子息風なのに、実態はこんなんだから、もう…………。

「ちょっとはすっきりした?」
「本当にちょっと、ですけどね」

 二人同時相手にした割には元気だ。

「早く体拭いて服着ないと風邪引くさ」
「ラビこそ人の事言えないでしょう? 大体その格好。襲って欲しいんですか?」
「ははは、近親相姦とかマジ勘弁。大体俺突っ込まれてヨガる趣味ないさ」

 …………そもそも本来は男より女の子の方が好き。
 …………だけど女の子は孕むから、クロスの二の舞になりたくなくて敢えてその心配のない男を相手にしているだけ。
 肩を竦めて笑い、ベッドの上に残る血痕に胸の中で本日の犠牲者二名に軽く十字を切って祈った。
 …………お気の毒様だ。

「そーいやあの子らどうした?」
「ああ、邪魔だったんで帰しましたよ。歩けないとか言うんでしょうがないから車出しました」

 …………ひっでー。
 心の声が聞こえたのかアレンが憮然とした調子で、

「ラビだって人の事言えないでしょう」
「そりゃま、ね」

 所詮同じ穴の狢、兄弟だけあってやる事が良く似ている。

「俺にも一本頂戴?」

 箱ごと投げて寄越された煙草を一本咥えて、アレンのそれと先をくっ付けて火を分けてもらう。
 それから延々と吸い続けて、一箱空になった頃。 

「…………ご飯食べに行きません?」
「そうさね」

 俺達は空腹を感じ、服を着替えに俺は部屋に戻った。

 

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