「…………」

 会議が終わり、解散となった頃。
 そう言えば散々に待たせている、と漸く思い出した。
 書類を持ってこさせたティキはさぞかし苛立っている所だろう。
 いかにして黙らせるか考えながら部屋に戻ってきてみれば、そこにいたのは予想していた人間ではなく。

「…………ユウ?」

 安らかに寝息を立てている、ユウだった。
 眠っている最中でも書類を放す気はないのか、封筒に皺が寄るほどの強さで抱き締めている。

「…………、」

 どういう事だ。
 見下ろして、思索を巡らす。その最中に少しだけ開いた唇に指で触れた。

 と、だ。

「ん…………」

 小さく呻いて柔らかな唇を微かに開き、中に指を受け入れる。
 無意識の色香は知っているどんな女よりも強く、煽情的だ。

「…………犯すぞ」

 思わず本音が漏れたが、だからと言って起きる様子もない。
 欲に忠実になるべきか否か、暫し迷う。
 だが邪な企みは直ぐ様邪魔された。
 ノックも無しに突然ドアが開かれ、

「あークソッ! 何で休みの日に…………」
「…………お前も居たのか」

 舌打ちしながらのティキが来た。

「…………何だ、会議終わってんじゃん」
「あぁ」
「…………資料は?」

 分かってるんだろう。ティキが半目で俺を睨む。
 その程度何処吹く風だが、

「不要になった」
「あんたね…………」

 休日のところを呼び出した所為か、誰かに仕事を振られたらしい。
 だが任せる仕事から考えれば高すぎる報酬は支払っている。問題ない。

「所でなんで此処にユウがいる?」
「ああ、興味ありそうだったから連れてきた。何か問題でも?」
「真昼間から盛りたくなった」
「…………」

 ティキは無言で視線を移動させ、ユウを見た。…………騒いでいるが未だに起きる様子がない。

「どうしてくれる」
「どうしてもこうしてもねぇだろ…………少なくとも社内でヤんのは勘弁。息子としてはいい加減肩身が狭い。せめてホテル行けって」

 そこら辺は妥協してやるべきか。

「んん…………」

 下らない言い争いの間にユウが漸く小さく呻いて、目を開いた。

「てぃき?」
「神田、寝ちゃってただろ」
「寝てない…………」

 いや、寝てただろう。

 寝惚け眼で目を擦りつつ何度か瞬いて、漸く理解したらしい。

「あ、父上、…………あ」

 ユウは俺に渡そうとした資料の封筒が皺だらけだった事に気づき、眉根を寄せた。

「…………すいません…………」
「中身が読めなくなってなきゃどうでもいい」

 受け取って、既に全く必要は無いが取り敢えず引き出しに仕舞う。

「取り敢えず、ホテル行くぞ」
「?」
「ちょ、あんた…………」
「昼飯だ。食わせてやる」
「はい」

 ユウは素直に立ち上がる。

 ティキの、「絶対それだけで済ませるものか」という咎めの視線は気付かないことにした。



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 社長はエロい事する為だけに早退しましたとさ。
 でも文句言いつつティキもついてく。
 そしてエロのターンafter days 36.5

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