俺達は洗い物を終え、ジャスデビは部屋に(本来は客室を使わせるんだけどそれだと離れる事になるから、東の空いてる部屋を使わせる事にした)荷物を置き、再びリビングに集結した。(因みにクロスだけは何もしないで最初からリビングでぼーっとしてた)
 俺達もリビングのソファーに適当に腰掛ける。
 俺は真ん中、両隣にティキとアレン。正面にジャスデビ。一人掛けのにどっかり座って今にも脚をテーブルの上に投げ出しそうなのはクロス(しかしそれをやるとユウが怒るので、最近クロスもやらなくなった)。俺とデビットはコーラ、ティキとジャスデロはアレンが淹れた紅茶を、クロスだけは食後の一杯という事でウィスキーのロックグラスを片手に煙草を吸っている。

「…………いや、結構旨かったな」
「ほんとだね」
「ユウは料理上手さ、いいお嫁さんに」
「「ならねーよ」」
「…………そうさね」

 …………うっかり本人に聞かれたら殺される所さ。

 デビットが何か考え込むように顎に指を当てて、

「なぁラビ」
「何さ?」
「神田、俺らに頂戴?」

 …………。

「な、に言ってんさ!?」
「俺らだったら血縁無いしー。このまま放っといてティキに喰われるよか健全でしょ」
「幸せにするよっ!」
「ふ、ふざけんなっ! 誰がお前らみたいな浮気性にユウを渡すかっ!!」
「浮気性って…………散々下級生喰いまくってたラビに言われたかないんだけどー」
「攻略人数三桁だっけ?」

 うっ…………
 みっ、耳が痛い!!
 ユウに出会う前の悪事でチクチクやられると、ひじょーに、とっても、苦しい。

「それ以前にあいつは男だろうが」

 クロスがダルそうに参加してきた。

「あ、じゃあこうしよう。ロードの婿に貰って」
「四人で乱交。二重の意味で兄弟★」
「二重の意味でふざけんなぁぁぁぁっ!!」
 
 何さそれ! その爛れた未来予想図は!!
  
「駄目駄目駄目っ! ユウのお嫁さんだったらユウと同じ位美人で気立てが良くて料理が上手くて優しい人じゃないと!! そんじょそこらの女の子なんて義姉とは認めないさっ!!」
「「ラビその発言かなりキモい」」
「一軒家で暖炉があって犬がいて…………って続くんだろそれ」
「つーか何? うちのイモートが不服だとでも?」
「そもそも今時そんな女いるの?」
「先ずアレと同じくらい美人っつー時点でハードルが高すぎるだろ」
「しかも性格も? そりゃ無いな。そんな女天然記念物っつーか想像上の生き物じゃね?」
「世の中そんなに甘くねぇわな」
「つーかアレか、お前は娘を嫁に出す父親か?」
「神田が娘でコレが父親だったら神田一生結婚できねーぞ」
 
 さ、散々な言われようさ…………!

 俺は涙目になりながら目の前の炭酸が抜けて氷で薄くなったコーラを飲む。
 その時、それまで沈黙を守っていたアレンが溜息を付くのと同時に呟いた。

「はぁ…………神田とえっちしたいなぁ…………」

 ぶふっ!!

 俺は、飲んでいたコーラを盛大に噴出した!!

「ちょっ、飛ばすなよラビ!!」
「アレンっ!! お前何アンニュイな顔でとんでもない事言ってるんさ!!」

 ひらがなで可愛く言っても駄目!!

「だって僕神田が来てからこっち、禁欲生活歴更新中なんですよ? 僕の人生初ですよこんな期間」
「そりゃ俺だってそうさ!! だからってなんでユウなんさ!? 俺達兄弟だろ!?」
「ま、気持ち分からんでもないよねぇ。俺も最近ご無沙汰だし…………一発お相手願いたいよな」
「分かるな其処!!」

 こ、この二人はっ…………!
 何つー事を!!

「クロスはー? そう思わん?」
「誰が自分のガキに、しかもあんなネンネな奴に盛れるか」

 …………クロスがまともな感性でよかっ「って何でクロス、ユウがネンネって知ってんの?」

「…………あ?」
「セフレの件も知らないんですよね? いなかったんだし。師匠貴方、…………まさか、」
「ああああああクロスあんたぁぁぁぁぁぁ!?」

 クロスは、斜め右上を見上げた。
 その頬に伝う一筋の汗、見逃す筈が無い!!

「ちょっ、あんたユウに何したんさ!? 何かしたんさ!?」
「何もしてねぇよ」
「ううううう嘘だ!! じゃあ何でネンネって知ってるんさ!?」
「…………」

 クロスが無言になり、俺はパニックになった!!

「わ、分かってる!? そういうの性的虐待って言うんだぞ!?」
「…………五月蝿い奴だな、何もしてねぇしさせてねぇよ。突っ込んでもねぇし咥えさせてもねぇ」

 突っ込む…………咥え…………っ

「んじゃ触らせたり触ったり位はしたって事ですか?」
「…………お前らはどうしても俺を虐待犯にしたいのか」
「何もしてねーんじゃねぇの?」

 面白そうに眺めていただけのデビットが割り込んできた。

「だって神田がいかに晩生で天然でネンネで馬鹿だとしてもさ、幾らなんでもヤられたりしたら分かるだろ」
「そしたら当然クロスへの態度がおかしくなるよね!」
「んでもそんな事もねーんだろ? だったら何も無かったんじゃねぇ?」

 …………まぁ、ジャスデビの言う事も一理ある。

「それかやったにしても神田をよっぽど巧く丸め込んだとか」
「…………!!」
「おい、お前らは俺の援護をしたいのかそれとも陥れたいのか?」
「「両方☆」」
「おいティキ、この居候共つまみ出せ」
「あはは、嘘嘘。…………ま、大丈夫じゃね?」
「幾らなんでもクロスだって其処まで外道じゃないよ!! 多分!!」
「師匠は立派に外道でしょ」

 アレンがふー、と溜息がちに呟いた。

「っていうか俺らとしては兄弟なのに神田狙いのお前らも相当外道なんだけど?」
「あんな綺麗な人前にして盛らない方が変でしょ?」
「変だけど普通兄弟に盛るかぁ? 俺らティキなんてお断りだぜ? なぁジャスデロ」
「当然だねっ! ヒヒッ!」
「お、お前らっ…………!!」

 こ、こんなケダモノ達ばっかりさ!? ユウの周りは!?
 俺が守らなきゃっ…………!

「お、お前ら見たいなケダモノにユウはやれんさぁぁぁぁぁ!!」

 俺はユウの元へ行くべく、猛然と走り出した。

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