※微エロ15禁です※


 ごそっ

 一家は、全員一つのベッドで眠っている。
 それはまだジュニアが一人で眠れない所為でもあり、部屋の数的にそういくつもベッドを置けない所為でもある。
 故に、神田は既に全員が入ったベッドの隅に、眠っている家族を起こさないようそっと入った。
 
 隣の体温で、ベッドの中は暖かい。
 ずっと永い間、一人の布団の冷たさに慣れ切っていた神田には、既に一年近くが経っているのにこの感覚が未だに新鮮だ。体を横にして、ラビに背を向けるようにして目を閉じる。

 …………子供達が大きくなったらベッドを買い換えるなり、別のベッドを買い与えるなりしないとならないな、とうつらうつらし始めた頭で考える。
 と、だ。


 ごそ、


「!」

 闇に紛れて、パジャマも下着も越えて肌に触れてくる手。
 それが誰のモノかなど、サイズを考えれば一人しかいない!

(てめぇっ! やめろ馬鹿兎っ!)

 ラビの手のひらは内腿を撫で上げ、キワドイ所にまで触れてくる。

(…………v)
(ふざけんなっ! 放せっ!)
(ユウ、つれないさ…………俺達ふーふでしょ?)

 …………確かに二人は、同性同士のため籍こそ入れてはいないが神の御前にて永遠の愛を誓った夫婦…………家族だ。
 愛を確かめる行為をしても問題は無いだろう。

 だがしかし。その隣に、子供が二人安らかに眠っている状況を考えれば、倫理的に許されるものではないだろう、と神田は見えない暗がりを睨みつける。
 
(此処ずっとご無沙汰さ?)
(だからって、二人が寝てる横でヤる気になんかなるか!!)
(大丈夫だって…………ユウが声出さなきゃ)
(!!)

 敏感な所に触れられた神田の体は意思に反して勝手に跳ねる。
 
「う、くっ…………!?」
(ユウ、静かに。二人が起きちゃうよ)
(うっ…………さい、お前がっ…………、「ひっ!!」  

 つぷ、と体の中にラビの指が侵入し、神田が高い声を上げた。

(声出しちゃ駄目だって…………)
(や、めろ…………っ!)

 神田はシーツを噛んで声を必死に殺し、ラビはその気にさせる為に指で刺激し続け、の攻防の最中。

「う…………」

 突如聞こえた不穏な声に、ラビの動き迄もが止まった。

((う?))
「うえぇぇぇぇっ!!」
((!!))

 盛大に泣き出すジュニア。
 その声に反応して隣のアレンがぴくり、と動いた。

(退けっ!)
(ぎゃっ!)

 思い切り神田に蹴り飛ばされ、哀れラビは悲鳴を上げる。

「ちび、どうした?」

 そんなラビには目もくれず、神田はベッドサイドの明かりを一番小さくした状態で点けた。
 顔をくしゃくしゃにして泣きじゃくるジュニアをそっと抱き上げる。
 見上げてくる涙に濡れた翠の瞳はまるで宝石のようだ。 

「まんま…………おばけいるー…………」 
「何処にもいないぞ? …………色魔はいたが」
「しきま?」
「何でもない」

 神田は余計なことを言った、とすぐさま発言は撤回する。

「怖くない、大丈夫だ…………」

 ぽん。ぽん。ぽん。
 一定のリズムで背中を軽く叩く。
 泣き濡れていた瞳が徐々に細められていき、遂には閉じるまでに数分。

(…………ユウはちびに向ける優しさの一割でもいいから俺に向けるといいと思うさー…………)

 …………ジュニアが泣き止んだと思ったら次はコレだ。
 ラビが明らかに拗ねた様子で、毛布を被って丸まっている。

(…………子供の傍であんな事しようとしたお前が悪い)
(…………。)
(…………。)
(…………。)

 無言の抗議に、今度は白旗を揚げたのは神田だった。

(…………来週。あいつらが養護院の方に行く日、オフになる)
(…………。)
(そしたら、好きにして良いから、)
(ホントさ!?)
(…………常識の範囲内でだぞ!?)
 
 一日中相手をさせられては堪らない、と慌てて釘をさす。

 …………来る二人だけの休日は、とてもじゃないが休めたものではないだろうな…………と神田は遠い目をした。



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