「…………」
「何だよ」
「神田って、新聞とか載ったことある?」
…………!!
ある。
中学の時の、部活の全国制覇の時と、前の学校での二年の時の部活でも全国へ行った。
どく、どく、と心臓が慌しく、それこそ先程よりも余程早く脈打つ。
バレ、たのか?
「…………ねぇよ。早々新聞なんかに載る訳ねーだろ」
「…………そう? じゃあデロの思い違いだねっ! ヒヒッ!」
危っねぇ…………!
こいつ、何か勘付いてやがる…………!
見かけに反して中々、馬鹿という訳でもないらしい。
伺うような目つきでそうと知れる。
少なくともこの三人の中じゃ一番警戒するべきだな。
俺は無言で、背筋を伸ばした。
バシャッ
「「「「…………」」」」
その水音に、俺だけは上から降ってきた衝撃に、無言になる。
昼休みも終わりかけの頃だ。そろそろ片づけを、と思っていた矢先でもあった。
突然俺の頭上に水が降ってきたのは。
あまりの事に怒りよりも何よりも、戸惑いしか感じない。
…………雨じゃねーよな。
凡そありえないことを考えながら上を見上げる。
…………空は雲一つ無い晴天だ。
そして、俺の頭上に当る校舎や体育館二階三階の窓際には人影は見当たらない。
「「「「…………」」」」
クソ、何の嫌がらせだよ…………。
「え? つかなんだよこれ」
「知りませんよ…………」
「やっぱ虐められ子じゃんお前」
「ちげーよ馬鹿」
きっと。多分。絶対。
大体俺に文句があるなら、正面切ってきやがれっつーんだよ意気地無し。
「保健室、制服の替えあるよっ! 持ってってあげるから、体育館のシャワー室行くといいよ!」
「…………そうする」
五時間目はサボるしかないな。
面倒には思うが、この濡れ鼠のまま授業に出る訳には行かねーしな…………。
溜息をついて立ち上がる。
俺とは逆方向に走っていくジャスデロは保健室に向かったんだろう。
青い空を忌々しく睨みつけて、足早に体育館に向かった。
「なぁ、今のあれ」
「女の子でしたね。顔は見えませんでしたけど」
「女か…………何でだ? あいつモテそーじゃん。やっかみ買って男にやられんなら分かるけどよ」
「まぁ、色々あるんじゃないですか? 僕らと同じような理由かもしれませんし」
「ああ、捨てた女とか? でもあいつまだ此処来て二週間ちょっとすぎた位じゃん。幾らなんでも早すぎねぇか?」
「「さぁ?」」
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