昼飯を食ってから、散々だった。
何故かモヤシとデビットが嫌がらせのように人をとっ捕まえて変なモノを見せようとするし、ラビは止めないし。(ジャスデロだけが何度か制止に来たがそれで止まるのはデビットだけだ)
結構真剣に、男なんか嫌いだと思った。
結局冒頭の辺りで奴らを殴り飛ばして逃げ出し、離れた所で課題を広げる。
因みに馬鹿二人はまた隣の部屋で別の物を適当に見ているらしい。何が愉しいんだそれ。
ジャスデロと二人して溜息をついて、机の上に広げた課題を見下ろす。
「あー、そういえば。んなもんも有ったさぁ」
「おい」
ラビの声は暢気だ。
俺は勉強しにきたつもりだったんだが。
「いーよ、見てあげる。あ、ちょっとやったんだ? どれどれ」
「あ」
止める間も無くラビは黄色い表紙の数学の課題冊子を拾い上げた。
「…………あー、うん…………こりゃ酷い」
「悪かったな!!」
どうせ勉強は苦手だよ! その中でも特に数学はな!
「問1の、2〜6。問2の3と4。問3、5。問4、1、4、5。間違ってる」
「…………。」
殆ど全部だ…………。
「神田、問5の3と5も違う…………」
…………。
…………どうせ俺は馬鹿だよ…………。
何で一学年下のジャスデロにまで指摘されるんだ…………。
思わず机の上に突っ伏すとラビが苦笑いで慰めてきた。
「まーまー。ジャスデロも二年の学年首席だし」
「…………そうなのか?」
兄貴はアレなのに? っていうか見た目だって…………まぁそれはラビからして、そうだ。
「うん」
ジャスデロは事も無げに頷いた。
あの学校って…………レベルの高い進学校だよな?
「デビは喧嘩強いけどデロは喧嘩弱い、だからデロは勉強する! ヒッ!」
…………そういうものなのか。
「でさ、多分これ使う公式が間違ってるんさ」
「そうなのか…………?」
ラビが指し示す辺りを覗き込んで、俺はノートを広げた。
「ふー。…………ん? 何やってんだ? お前ら」
「そりゃこっちの台詞だ」
隣の部屋から姿を現したデビットとモヤシに眉根を寄せた。
「あー、オベンキョ? 頑張るじゃん」
「ホントですよねー」
おい。
「お前らはいいのか?」
「まぁラビにやってもらいますし」
「俺はジャスデロにやってもらうけどな」
「他人任せか」
正直どうかと思うし、大体休み明けに復習テストがあるはずだ。
大丈夫なのか?
リビングのソファーに転がって直ぐに寝息を立て始める奴らを呆れてちら、と視線をやった。
「三大欲求全部満たされて、幸せさね〜」
俺の目の前で連続ペン回しをしていたラビが、そのペンで俺が今さっき解いたばかりの問題に、カカッと×をつけた。
「はい、違う。それそっちの公式じゃないでしょ?」
「…………」
ラビの授業は結構スパルタだ。
混乱する頭を抱え、目の前の式を睨みつける。
「そろそろ休憩入れる?」
俺の隣で黙々と自分の課題を解いていたジャスデロが(しかも結構な速さで、殆どその手は止まらない)シャープペンシルを置き提案した。
「そうさね。あんま続けてても集中力落ちるだけだし。特にユウは」
「悪かったな」
だが凡ミスが増えてきていたのは事実。
俺はジャスデロ・ラビと共に立ち上がり、台所に向かった。
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