「…………あ、おはよ…………」
「おはよう。…………何か疲れた顔してるなお前」

 家主の権限でベッドで寝てたのに…………
 
「あ、あ、うん、まーね」

 ラビはそう言うとさり気無く俺から視線を逸らした。
 その視線は定まらずに揺れている。

「…………?」

 櫛を置いて立ち上がり、奴の方へ向かった。
 ラビは相変わらず視線を逸らしながらどこかを見ている。

「おい?」

 何処見てんだお前。
 
「は、はは。何処でも無いさ〜」
「?」

 変な奴…………。

「まぁどうでもいいがな…………。洗面台借りるぞ」
「あー、うん。どーぞ」

 顔でも洗ってさっぱりして、それから何か食うか…………。










 今朝も午前中から馬鹿二人(もう誰と誰かなんて解説は不要だろう)は寝腐ってたり何か知らんがゲームをやってたりと絶好調にやる気が無かった。休み明けのテストで頭抱える羽目にならねーといいな。
 ラビは退屈そうな顔で俺の課題を見たり、或いはモヤシ達に混ざりに行った。

(ねぇ、神田)
(?)

 と、隣にいたジャスデロが声を抑えて話しかけてきた。
 
(夜、大丈夫だった?)
(大丈夫、って…………何がだ)

 背中は痛かったけどな。

(何も無かったならいいんだよっ! ヒッ!)
(?)

 …………なんか含むような感じだな。

(おい…………)

 ジャスデロに聞こうとしたとき。

「あークソ! また負けた! 手加減しろよラビ!」
「嫌さ。アイス賭けてんのにわざわざ手ぇ抜く訳ないさ?」
「ひでー!!」

 …………何やってんだあいつら。

 振り向くと、画面は何やら二人人間らしいのが映っていて、右側にはLOSEと青い字で出ていた。
 良く分からんが多分デビットがラビに負けたんだろう。

「大体手ぇ抜いたら抜いたで怒る癖に…………」
「んじゃーデビットのオゴリって事で。ジャスデロ、神田。デビットが何かアイス買ってくれますよー。何がいいですか?」
「…………アイス…………?」
「えと、じゃあデロはチョコミント!」
「チョコミントって歯磨き粉食べてる気にならん?」
「ならないよ! ヒッ!」
「僕はあるだけ全種類買ってきてください。勿論二個ずつでも歓迎しますよ」

 腹壊すぞモヤシ。

「俺はチョコね」
「神田は何にします?」
「…………何でも良い」

 あんま好きじゃねーし…………

「何でも良いそうですから面白いの買ってきてください。わさび味とか納豆味とかジンギスカン味とか」
「それはやめろ」
「ってかそんなの売ってるか? 下のコンビニで…………」

 普通は無いだろ。

「じゃー神田は普通にバニラとかな。しょうがねぇ行ってくるか…………」
「ヒッ! 荷物持ちするよ!」
「おおジャスデロ! 俺の味方はお前だけだ!」
「デビ!」
「ジャスデロ!」

 がしぃ! と交わされる抱擁をモヤシ達が暑苦しいものを見る目で見ていた。確かに暑苦しいが。

「じゃあちょっと行ってくるね〜」

 二人はブンブンと手を振りながら、部屋から出て行った。



 小説頁へ