「はー…………」
更衣室からトイレに直行、そのあとトイレで授業一時間分篭って、今日の最終授業の終わりのチャイムで出てきたところ。
頭のどっかはぼんやり痺れてるみたいで、だけど俺には今とアレが現実であることは分かってた。
「どうすっかな、これから…………」
取り敢えず、事情聞くしか…………
ユウを呼び出そう、若しくは今いる場所を聞こう、そう思って取り出した携帯には着信が来た。――――――ジャスデロだ。
何とまぁいいタイミング、と思いながら通話ボタンを押して耳に当てると――――――
「はい? もしもし?」
『ラビ! アレンを止めて!』
「は? どうしたん?」
電話の向こうのジャスデロの声は随分切迫している。
『神田とアレンが喧嘩始めて、デビは止めないし、デロが言っても止まらないし、それで…………!』
あ――――――!
「あーもう分かった! すぐ行く! 何処!?」
『いつもの屋上!』
そこだけ聞くと携帯をポケットに放り込み、床を蹴った!
ガチャッ
「二人ともロープロープ! 落ち着…………」
バキッ!
ドッ…………
「!」
辿り着いた先、ドアを開けるなり叫んだ俺は言葉を失った。
丁度その瞬間、スローモーションみたいに、ユウに殴り飛ばされたアレンがすぐ横の壁にぶつかってきたからだ。
「やれやれー! やっちまえ!」
「ちょ、デビ!」
離れた所では無責任な野次を飛ばすデビットと、涙目のジャスデロ。
「…………っこのっ!」
「こら、アレン!」
殴り飛ばされてきたアレンはそれほどダメージは無いのか、直ぐに飛び起きてフェンスの前で息をついていたユウに向かって駆け出す!
「待て待て待て―――――! ストップ! 待て! おすわり!」
ああもう何言ってんだか訳分かんねー!
振り上げられた腕をユウは手にしていた鞄でガードして(鞄は盾じゃないさ!)膝の辺りを狙った蹴りで応戦する――――――けどアレンはそれを読んでたのか、その右足を捕らえて無理矢理自分の方へ引いた!
「っ!」
ユウはバランスを崩して背中からコンクリートの上に転がり、アレンはその上に馬乗りになって小馬鹿にしたように鼻を鳴らした。
「何度も同じ手を喰らう訳ないでしょう? 君じゃないんだから」
「クソが、どけバカモヤシ!」
「こら! 止めるさ! 止めろってアレン!」
女の子殴っちゃ駄目だろ!!
何とか二人の下に辿り着いて、後ろからアレンの肩を掴む。
「…………あれ? 来たんですか?」
「ああジャスデロから連絡貰ったから! 何やってんさもう!」
「邪魔しないで下さいこれは僕と神田の問題です!」
大問題だよ馬鹿ぁぁぁぁ!
「…………テメェこそ、暢気なもんだな!」
「え」
ドッ!
ユウが腕で思い切りアレンの鳩尾を殴りつけた!
「っぐ…………」
うわぁ容赦ねー!
鳩尾を押さえて呻くアレンに、ユウは続けて思い切り上半身を跳ね上げて――――――
ガッ!
頭突きでアレンの顎を狙った。
…………痛い痛い痛い! もうやだこいつら! 見てるだけで一々痛い!!
顎を押さえて無言で悶絶するアレンに今度はユウが馬乗りになって、
「ざまあみろ!」
吼えた。
…………なんか俺、さっきのが本当のことだったのか若干自信なくなってきたわー…………
追撃しようと腕を振り上げたユウの隙をついて脇の下から腕を入れて無理矢理止める。ユウの方がアレンよりは力が弱いから、止めるのも簡単だった。
「こ、こらこらユウもうやめなさいって」
「あぁ!?」
キッ、と俺を睨んだユウは次の瞬間驚いたように目を丸くする。
「…………ラビ?」
「ああそうさ俺さぁ。分かったら、ほら、ね? もう止めなって」
近くで見たらユウの右側の頬は赤く腫れ、口元には青い痣と切ったんだろう少しの血の跡があった。
…………あーあーあー…………
アレンだな…………。
「もう、乱暴なんだから…………二人共! クロスん所行くからね!!」