ラビ:二匹の飼い主(大学生)あれんに光源氏を強制する困った飼い主。
 あれん:白毛の♂。一歳。子作りの前に子育てをする羽目になった。ロリコンではない。
 ゆう:黒毛の♀。二ヶ月。まだママが恋しいお年頃。先住猫のあれんが怖い。美幼女猫。

 ウォーカーさんと神田さん:ラビの友人達。出会い頭に殴り合うくらい仲が悪い。この話には出てこない。





 かさかさ。


「みゃぁー…………」


 がさっ。


 あ。まただ。

「みゃぁぁー…………」

 真っ暗な中で、ゆうが鳴いている声が聞こえました。
 この家に来て以来ずっとゆうは夜になると泣いています。
 毛布が掛けられているケージの前に立って、毛布の隙間から顔を入れました。中でゆうが小さくなっています。

『…………っく、ひっく…………母上…………』

 どうやらゆうはお母さんが恋しいみたいです。
 お母さんの事なんて何一つ覚えていない僕はよく分かりませんが、多分そうなんだと思います。

『どうしたんですか?』
『!!』

 僕が声をかけると、ゆうはバッ、とこっちを向いて飛退りました。

『声が聞こえたので』
『近付くなっ!!』

 近づこうと思ったって近寄れません。ゲージがあるし。

『あんまり鳴いてると、ラビが起きちゃいますよ』
『…………』

 先輩として諭しているつもりですが、ゆうは泣き濡れた目でキッとこちらを睨んで警戒しています。

『寂しいなら、こっちに来て下さい。舐めてあげますよ。大丈夫、噛んだりしませんから』
『…………』

 あ。悩んでる。
 ちょっとした後、ゆうがケージの際迄来たから僕はゆうの顔を舐めてあげました。
 泣いてたから、ちょっとしょっぱいです。

『…………』
『ラビは優しいし、寝床もあるし、それにここはご飯もいっぱいありますよ。何も怖くなんかない』
『…………ん』

 暫くゆうを舐めていると、ゆうは眠くなったのか小さく丸まりました。
 僕も眠くなったので同じようにそこで丸まって、暫くしたら僕も眠くなったのでそのまま眠りました。




「あれ…………寝床にいないと思ったらこんな所にいた。この調子ならそろそろゆうを外に出しても大丈夫かね?」
「にゃー」
「あれん、ゆうに優しくしてやるんだぞ?」
「にゃー」
「まぁゆうは優しくしてくんないかもしれないけどな…………」
「にゃー…………」






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