ラビ:二匹の飼い主(大学生)。最近友人たちの喧嘩を仲裁して殴られた。
 あれん:白毛の♂。一歳。なんだか最近ゆうに振り回されている。
 ゆう:黒毛の♀。二ヶ月。幼女。最近あれんに少し懐いた。
 りんく:灰色の♂。二歳。お兄さんポジション。ゆうに威嚇されて地味に傷ついた。
 リナリー:りんくの飼い主。シスコンの兄と二匹の猫と暮らしている。

 ウォーカーさんと神田さん:ラビの友人達。講義中喧嘩してたら退出させられた。この話には出てこない。



「みゃぁぁぁぁ!」
「にゃあぁあぁ!」

 僕とゆうがベランダで暫く叫ぶと、お隣りの家の窓がカラリ、と開きました。ベランダを区切っている板の下の空いてるところから、にゅ、とりんくが顔を出します。

『どうしたんですか、二人共』
『りんく!』
『ふぎゃぁぁぁぁぁっ!!!』

 こっちが呼んだのにお隣りのリナリーの家の猫、りんくが姿を現すと、僕の隣にいたゆうが物凄い勢いで威嚇しました。最近僕はそこまで威嚇されないので、こんなに叫んでるゆうを見るのは久しぶりです。
 リンクはちょっと傷ついたような、心外だ、とでも言うような顔をしました。

『…………私は君らに呼ばれたんですが』
『すいませんりんく、何時もの事なので。所で今リナリーは居ますか?』
『えぇ。どうかしましたか』

 りんくが顔を出したまま傾げます。此処からみるとりんくが生首みたいです。どうもそれが怖いのか、ゆうは僕の後ろに回りこんでぷるぷると震えています。

『実はラビが突然寝てしまいまして』
『寝る?』
『えぇ、食事の支度中に』
『…………それは倒れたと言いませんか?』

 !

『ラビ、倒れたんですか!』
『私は見ていませんが、そうなのでは』

 ゆうが後ろで喉を鳴らして怒っています。

『リナリーに、そちらに行くように促してみます』
『ええ、お願いします』








「ラビ、いる? あら、鍵が開いてる…………ッ、ラビ!?」

 暫くした後、リナリーがやってきました。
 ドアを開いたリナリーはすぐの所にある台所で倒れているラビを見て悲鳴を上げています。
 ゆうはさっきからペロペロとラビの頬を舐めていますが、ラビが起きる様子はありませんでした。僕はズボンのおしりの辺りを引っかいています。

 駆け寄ってきたリナリーはラビを強く揺さぶりました。
 すると、

 ギュー、グルグルグル…………

「「「「…………」」」」

 ラビのお腹から聞こえてきた音に、僕らは全員で顔を見合わせました。








「んー、栄養失調だね」
「…………栄養失調?」

 その後コムイさんもやって来ました。コムイさんはリナリーのお兄さんです。
 お医者さん、みたいな仕事をしてるそうです。僕にはよく分かりません。

「ラビ、食事取ってないの?」
「いや、そんな事はねぇさ」

 目を覚ましたラビは、ラビにぴたりと寄り添って離れないゆうを抱っこして撫でながら返事をしています。

「ちゃんと食べてる? それにしては…………痩けたねぇ」
「何を食べてるの?」
「えー? 朝は素麺」
「ふむ」
「昼は素うどん」
「…………へぇ」
「夜は具なしのラーメン、かな。ここ一週間位」
「「栄養失調!!」」

 ラビは二人に怒られていますが僕らにはよく分からないので、僕はラビの腕の中から下にいる僕にちょいちょいと触ってくるゆうに向かって尻尾を伸ばしました。





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