俺はある日、白い子犬を拾った。別にみかん箱に入ってキャンキャン鳴いてた訳でもないが、俺からしてみれば似た様なもんだ。俺達の出会いとは、教団の門の前だった。門の前で鳴いてたこいつを、俺が拾った。
 名前はモヤシだ。白くて細いのでそう名づけた。我ながら的確だと思ってる。
 モヤシは左腕と目がちょっとおかしいので、きっとその所為で捨てられたのだろう。
 俺に懐いているのはいいが、野良出身だから躾もなってなくて、どこででも頬を舐めてくるわ、食事のマナーがなってないわだが、白くてちまっこいその姿を見ていると心が安らぐ。

「おい、モヤシ付いてるぞ」

 モヤシは食事のマナーがなってないので、よく一杯弁当を付けている。そんなに焦らなくても誰も取りゃしねぇってのにな。
 俺が頬に手を伸ばしてやると、モヤシはにこっと笑った。
 
「ありがとうございます、神田は優しいですね」

 優しい? 飼い主が犬の面倒を見るのは当然の事だ。
 拾った命は最後まで面倒見てやらなきゃな。

「食ったら風呂行くからな」

 ああ、そうだ備品で注文してたシャンプーハットを持っていこう。 
 それと、今度カタログででも似合いの首輪を探そう。
 それから、最近モヤシは俺のベッドで寝たがるから(何度お前の寝床は此処だと教えても入ってきちまうんだ、これが。まぁ子犬だから仕方ない)、今度もっと広いベッドを入れさせよう。


 俺とお前の、ペットライフの為に。 



(ああ、彼らのベクトルは同じなのに、道が交わらない!)


<終>

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