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 生きたい、

 生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい、

 死にたくない…………っ!


『母…………さ…………?』
『あのガキだ、』
『あのガキ、バケモノだ! 殺せ!』
『あ…………ぁ、』

『ちょっと、子供にそこまでしなくともいいじゃないか、』
『生かして置いたらまたあいつらが来るだろう!? 村が襲われた理由を忘れたか!!』

『母親は、昔はいい子だったのにねぇ…………』
『何処をどう間違えて「    」なんか…………』
『やっぱり生まれたときに首を捻っておくべきだったんだよ』

『…………に、たく、な…………、』

『若い衆は血の気が多くて行けないね。アレン、この穴を通ってお逃げ。…………だが村に帰って来てはいけないよ。村はお前を受け入れない』
『…………』
『お前は外で生きるんだ。…………泥を啜り傷だらけになっても生きる気があるのなら、神様だってお前をお認め下さるさ』







「…………っ!?」
「うぉっ! びっくりした!」

 カッ、と目を見開いたアレンに驚きティキが後退りします。
 アレンは暫く瞬いてから、

「…………あとどれくらいです?」

 そう聞きました。
 灯台に上陸するまでに少し休息を、そう言って船室で休んでいたのです。
 ですが昼寝の夢見は良くなく、アレンは溜息をついて前髪をぐしゃりと握りつぶしました。

「? もう少しだろ、岸に付ける準備してるらしいから」
「そう、ですか。…………ラビは?」
「リナリーと一緒に外。船員と何か話してたけど難しい話は分からねーわ」
「…………」
「それにしてもさ、お前…………」

 ティキが、ポン、とアレンの頭に手を載せました。

「随分魘されてたけど?」
「昼寝の夢見って、良くないですよね…………」
「…………? あー、まぁ、あんまり良いイメージじゃないけど」

 それっきり黙りこみ、一つ大きく溜息をついたアレンを、ティキも黙って見下ろしていたのでした。







「斥候?」
「そう。偵察行って来ようか?」
「…………んー、」

 ラビはティキの申し出に腕を組んで考え込みました。
 敵の規模が分からない以上、ティキの言うとおりティキに斥候を任せ敵の様子を探るというのは、けして悪い案ではありません。しかし、それには危険が付き纏います。
 そして何気にこいつ危ない目に合わせられないしな…………とラビはティキを眺めました。

「俺、そういう役目だし」
「何なら僕も行きますよ?」
「…………やー、いいわ。斥候行かなくて。このまま全員で上陸しよう」
「え…………」
「や、そりゃ…………お前さんがそれでいいなら俺はいいんだけどさ。でも、危なくね? 一応仮にもお前勇者だろ? しかも相手に狙われてるんだろ? ノコノコ行ったら間違いなく危ないと思うんだけど。そりゃ危なかろうが何だろうが護るけどさ」


 ドォンッ!


「「「「!!」」」」

 その時でした。
 船が大きく横に揺れたのは。

「…………どうやら斥候だとか何だとか、言ってる場合じゃないみたいですね」
「らしいね。ラビ!」
「あ、ああ、うん、とりあえず船員を全員退避させて、灯台には俺達だけで乗り込もう」
「「了解!」」

 アレンとティキが外に向かって駈け出します。

「…………どうして? 何で…………」

 リナリーが、ぽつりと呟きました。

「…………何かあったんさ、何かが。きっと…………碌でも無い何かが」

  





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